ルアーの接着を外部に任せるとき、見積りの金額や納期だけで決めていませんか。
浸水クレームが出たあとで「どこに原因があったのか分からない」とならないためには、依頼する前に、受託先の工程管理の中身を確認しておくことが大切です。
この記事では、品質保証・生産管理のご担当者が受託先に確認しておきたい5つの基準を、そのまま使える質問の例とあわせてご紹介します。
01試作の段階で、何を確認しているか
試作で見るべきなのは、水漏れの有無だけではありません。ボディの光り(白濁)やクラック、内部に入れた玉などの部品の動きなど、量産の前に気づけるサインがいくつもあります。
試作の確認が「水が入らなかったのでOK」で終わっていると、量産に入ってから同じ不具合がロット単位で出ることがあります。
「試作では、水漏れ以外に何を確認していますか」
試作10個の段階で、光り・クラック・玉の動きを一つずつ確認しています。
02検査は全数か、条件は決まっているか
「検査しています」という答えだけでは、中身が分かりません。全数なのか抜き取りなのか、どんな条件で行っているのかまで確認しましょう。
温水を使うリーク検査であれば、水温、浸す時間、接着してからどれだけ時間をおいて検査するか(養生時間)が結果に関わります。条件が決まっていて、毎回同じであること。それが、検査結果を信用できる前提になります。
「検査は全数ですか。水温や浸す時間、検査のタイミングは決まっていますか」
社内検査規格QS-001に沿って、24時間以上の養生のあと、60℃±5℃の温水に30秒浸す温水リーク検査を、全数で行っています。
03不良が出たとき、原因を切り分けて伝えてくれるか
水漏れが見つかったとき、その原因は接着の工程にあるとは限りません。成型品のソリやヒケ、鉛成型品の巣穴など、部材そのものに原因があることもあります。
受託先が不良の数を報告するだけだと、同じ不良が次のロットでも繰り返されます。原因が接着にあるのか部材にあるのかを切り分け、メーカーに伝えてくれるかどうかを確認しましょう。あわせて、量産中に異常を見つけたとき、受託先の方から連絡が来る体制かどうかも大切です。
「水漏れが出たとき、原因が部材か接着かを切り分けて教えてもらえますか。異常があったときは、どのように連絡をもらえますか」
部材に原因がある不良は、メーカー様にフィードバックしています。量産中も工程を追い続け、異常があれば当社からお電話でご連絡します。
04不合格品をどう扱っているか
検査で不合格になったものを、補修して出荷する受託先もあります。補修そのものが悪いわけではありませんが、発注する側からは「出荷品の中に補修したものが混ざっているかどうか」が見えません。
出荷品がどういう基準でそろえられているのか、不合格品をどう処理しているのかを確認しておくと、社内での説明もしやすくなります。
「検査で不合格になったものは、どう処理していますか。補修して出荷することはありますか」
不合格品は補修せず、全数廃棄しています。出荷するのは、初回の検査に合格したものだけです。
05記録と情報を、どう管理しているか
クレームが起きたときに頼りになるのは、どのロットを、いつ、どんな条件で検査したかという記録です。検査の記録を残しているか、必要なときに書面で出してもらえるかを確認しましょう。
また、発売前の製品を預ける場合は、情報の管理も工程の品質と同じくらい大切です。秘密保持契約(NDA)に対応しているか、図面やサンプルをどう保管しているか、作業風景の撮影やSNSへの掲載をどう扱っているかも確認しておくと安心です。
「検査の記録は残っていますか。成績書として出してもらえますか」「NDAには対応していますか。未発表品はどのように保管していますか」
全数検査の記録を全ロット分保管し、ご要望に応じて検査成績書(QS-001準拠・A4一枚)を発行しています。NDAは標準でお受けし、未発表製品の図面・サンプルは施錠保管、お預かりした製品の撮影・SNSへの掲載は一切行いません。
06まとめ:依頼の前に聞いておきたい5つの質問
- 試作では、水漏れ以外に何を確認していますか
- 検査は全数ですか。水温・浸す時間・検査のタイミングは決まっていますか
- 水漏れが出たとき、原因が部材か接着かを切り分けて教えてもらえますか
- 不合格品はどう処理していますか。補修して出荷することはありますか
- 検査の記録は残っていますか。NDAには対応していますか
見積りや納期と同じように、工程管理の中身を依頼の前に確かめておくことが、浸水クレームを防ぐことにつながります。
当社へのご相談の際も、この5つの点を遠慮なくご質問ください。試作1個からのご相談も承っています。