浸水クレームは、SNSで一気に広がります。
「買ったばかりなのに水が入った」「浮力がおかしい」——そうした投稿がひとつ拡散されると、ブランドへのダメージは製品の交換対応だけでは取り返せません。品質保証の担当者として、もっとも避けたいリスクのひとつではないでしょうか。
では、浸水クレームはなぜ起きるのか。原因は大きく3つに分けられます。
01浸水クレームの主な原因3つ
接着工程が正しくても、ボディ素材や内部部品に問題があれば水漏れは起きます。たとえば鉛成型品の粗悪品は、表面に微細な巣穴や歪みがあり、接着後に時間をかけて浸水することがあります。この場合、接着工程を見直しても根本的な解決にはなりません。部材起因の不良を見抜けるかどうかが、受託先の経験値の差として出る部分です。
溶剤接着は、溶剤の量・塗布のタイミング・養生時間・温度管理がわずかにずれるだけで、接着強度が変わります。「前回は問題なかったのに今回のロットでクレームが出た」という場合、量産中の工程条件がずれていることがほとんどです。工程記録が残っていなければ、原因の特定も困難になります。
試作を急ぎ、十分な検証をせずに量産に入ることが、後のクレームにつながるケースは少なくありません。試作の段階で確認すべきことは、水漏れの有無だけではありません。ボディの光り(白濁)・クラック・内部部品の動きの異常など、量産前に発見できるサインが複数あります。これらを見落としたまま量産に進むと、ロット単位のクレームになりかねません。
02試作段階で防ぐ3つのチェックポイント
以下の3点は、受託先に依頼する際に確認しておきたい工程管理の基準です。
水漏れ検査の前に、ボディの状態を目で確認する工程があるかどうか。この一手間が、量産後のクレームを大幅に減らします。
「水漏れが出た」という事実だけでなく、「どこが原因か」を特定できる受託先かどうかが重要です。原因を切り分けられなければ、同じクレームが繰り返されます。
部材起因の不良であれば、受託先からメーカーへのフィードバックがなければ根本解決になりません。「検査して終わり」ではなく、「原因を伝えて次に活かす」という姿勢があるかどうかを確認してください。
03量産中も、調整を続けることが大切です
試作で問題がなくても、量産に入ってから条件がずれることがあります。ロット数が増えれば、部材のばらつきも広がります。受託先が量産中も工程を追い続け、異常があれば即座に連絡・相談できる体制を持っているかどうかが、長期的なクレームゼロにつながります。
04まとめ
浸水クレームの原因は、接着工程だけにあるとは限りません。部材・工程管理・試作検証の3つが揃って初めて、ロット単位での品質保証が成立します。
受託先を選ぶ際は、「検査をしているかどうか」だけでなく、「試作段階で原因を追い、量産中も調整を続ける体制があるかどうか」を確認することをおすすめします。
当社では、試作10個の段階から光り・クラック・玉の動きを確認し、部材起因の不良はメーカーにフィードバックしています。量産中も工程を追い続け、異常があれば当社からご連絡します。試作1個からのご相談も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。